刺しゅう

刺しゅうはたった1本の針と糸から生まれる美しい手仕事です。 好みのデザインを選び、ひと針ひと針刺し進める楽しみは時の経つのを忘れることでしょう。 布を切り抜くカットワーク、布目を数えるキャンバスワーク、ビーズやスパングルを使った 光る刺しゅうなど技法は奥が深く飽きることなく続けられます。

基本のコツを習得することにより刺しゅうが手早くでき、そして楽しく刺すことで上達し美しい作品に仕上がります。テキストを上手に使いこなして生活に彩りを添えてください。

刺しゅうは、針と糸があれば誰でもできる身近な手芸です。 だからこそ長い歴史があり、世界各地に様々な表現手法が生まれました。 皆さんも刺しゅうを続られるうちに、きっとその表現力と奥深さに魅了されることでしょう。 まず、基本を習得することにより効率よく刺しゅうできるようになります。 上達のコツは楽しんで刺すことです。テキストを活用し、美しい作品を創り上げる感動を味わってください。

布地の織り糸をカウントしながら刺し、パターンを作っていく刺しゅうの総称です。シンプルなステッチのくり返しで幾何学模様を作ったり、絵柄を刺し埋めたりします。 多くの国で見られるクロスステッチや、地方で生まれ育まれてきたハーダンガーワークやこぎん刺しゅうなどがあります。

作品と内容

本科

区限刺しゅう 本科通信講座では「クロスステッチⅠ」「キャンバスワークⅠ」「ブラックワークⅠ」「スウェーデン刺しゅう」4 つの作品をつくります。

クロスステッチI

クロスステッチは歴史が古く、ポピュラーな刺しゅうです。糸をクロスさせて刺していくこのステッチには針の進め方にいくつかの決まりがあります。この決まりと、決まりを組み合わせた応用の刺し方を学びます。

キャンバスワークI

布目を数えて、いろいろなパターンに刺し埋めていく楽しい技法です。キャンバス地と糸の太さのバランスを考え、土台布が見えないように刺すのがポイントです。

ブラックワークI

黒一色で刺すキャンバスワークで、ステッチや糸の太さだけで濃淡をつけます。代表的な英国刺しゅうです。針の進め方を学びます。

スウェーデン刺しゅう

織り目単位で布目をすくう、やさしい刺しゅうです。基礎ステッチを刺しながら、色の組み合わせやグラデーションの効果を学習します。

作品と内容

高等科

区限刺しゅう本科を卒業した方のためのコースです。区限刺しゅう 高等科通信講座では「アッシジ刺しゅう」「こぎん刺しゅう」「キャンバスワークⅡ」「ハーダンガーワーク」4 つの作品をつくります。

アッシジ刺しゅう

この刺しゅうは図案が明快で、クロスステッチと図案の輪郭を刺すステッチだけで構成されています。

こぎん刺しゅう

織り糸をすくって幾何学模様を刺していく、日本の民芸刺しゅうのひとつです。

キャンバスワークII

布目を数えて、いろいろなパターンを刺し埋めていく楽しい技法です。キャンバス地と糸の太さのバランスを考え、土台布が見えないように刺すのがポイントです。

ハーダンガーワーク

小さな四角のサテンステッチと、四角にカットされた空間で幾何学的に構成された図案が特徴です。

作品と内容

講師科

区限刺しゅう高等科を卒業した方のためのコースです。区限刺しゅう講師科通信講座では「オリエンタルステッチとミラーワーク」「キャンバスワークⅢ」「ブラックワークⅡ」「クロスステッチⅡ」4 つの作品をつくります。

オリエンタルステッチとミラーワーク

インド、パキスタンや中近東の民族衣装に見られる技法です。土台布、刺しゅう糸とも鮮やかな色合いで重厚に仕上げます。

キャンバスワークIII

ウール糸でハードキャンバスに刺します。数あるステッチの中からフラットステッチのみを使い、配色の変化で幾何学模様を構成します。

ブラックワークII

黒一色で刺すキャンバスワークで、糸の太さで濃淡をつけます。分岐点のあるホルベインステッチの刺し方を学びます。

クロスステッチII

麻に2×2目で刺すクロスステッチを学びます。図案に合わせて1×1目や2×1目で刺すことで、より細かい図案の表情を表現することができます。

作品と内容

指導員

区限刺しゅう講師科を修了した方のためのコースです。「ハーダンガーワークとインターレーシングステッチ」「ブラックワーク」「プチポワン」3つの作品をつくります。

ハーダンガーワークとインターレーシングステッチ

目の細かい布にハーダンガーワークとインターレーシングステッチを組み合わせて刺します。

ブラックワーク

密度の異なるステッチパターンを組み合わせたり、糸の太さを変えることで濃淡を表現するモノトーン画のような刺しゅうです。

プチポアン

プチポアン(Petit Point)はフランス語で「小さなステッチ」という意味です。目の細かいキャンバス地をテントステッチだけで刺し埋めます。

地域や時代により、様々な種類の刺しゅうの技法があります。それらの中から、色糸を使うフランス刺しゅう、リボンを糸として使用するリボン刺しゅう、ビーズをあしらうビーズ刺しゅう、布を寄せるスモッキング刺しゅう、立体的に刺すレイズドワークなど、代表的な技法を学びます。

作品と内容

本科

本科では、色糸を使うフランス刺しゅうとリボンを糸として使用するリボン刺しゅう、ステッチの代表的な2技法を学びます。

フランス刺しゅうⅠ

ステッチの原点である点・線・面を意識しながら21種類のステッチを使ったサンプラーを作ります。

フランス刺しゅうⅡ

新たに11種類のステッチをマスターします。刺しゅう作品をバッグに仕立てて生活に取り入れる楽しさを学びます。

リボン刺しゅう

学習してきた様々なステッチを活用し、更にリボン刺しゅうならではの12種類の刺し方を学びます。

作品と内容

高等科

ステッチ100本科を卒業した方のためのコースです。スモッキング、ハンガリー刺しゅう、ビーズ刺しゅうなどの特色ある技法と、フランス刺しゅうⅢで新たに35種類のステッチを学びます。

スモッキング刺しゅうⅠ

布の柄を利用してスモッキングのステッチを学びます。無地布のように印をつける必要がなく、手軽にできるスモッキングです。

ハンガリー刺しゅう

太めの糸を使い、艶のあるサテンステッチで花を美しく刺します。また、図案を写せない素材に刺す方法を習得します。

ビーズ刺しゅう

華麗さを求めるデザインには欠かすことのできないテクニックです。ビーズとスパングルの刺し方、とめ方を学びます。

フランス刺しゅうⅢ

新たに35種類の線のステッチを習得し、イニシャル図案へ展開します。額縁仕立てによるサンプラー作りは応用のきくテクニックです。

作品と内容

講師科

ステッチ100高等科を卒業した方のためのコースです。スモッキングやゴールドワーク、レイズドワークなど特色ある技法を学び、ステッチの仕上げとして基礎ステッチ25種のサンプラーを制作します。

スモッキング刺しゅうⅡ

無地の布にスモッキング刺しゅうを施す時の基本を学びます。ステッチのアレンジや新たに覚えるステッチを用いて、バラエティーに富んだサンプラーを作ります。

レイズドワーク

刺しゅう糸を幾層にも重ねて、立体感のあるモチーフを作ります。ナイーブなデザインを繊細なステッチで表現する格調高い技法です。

フリー刺しゅう

絵を描くように刺しゅうをします。ステッチの技法にとらわれすぎず、表現したいものを質感や陰影に合ったステッチと糸の太さで調節します。全体を刺し埋めず、スケッチ画のように「自由」な発想で楽しむ刺しゅうです。

基本ステッチ25種

フランス刺しゅうIとフランス刺しゅうIIで学んだステッチを用いて、オリジナルサンプラーを作ります。図案やステッチの分類を工夫して、理解を深めます。

作品と内容

指導員

ステッチ100講師科を修了したかたのためのコースです。フランス刺しゅうとビーズクチュールでは新しい素材に挑戦します。新しくクルーエル刺しゅうとゴールドワワークも学習します。

フランス刺しゅう(素材と表現)

今まで使用しなかった変わり糸を使い、糸によってステッチの表情が変化する面白さを表現します。きちんと刺すことよりも、糸の持つ風合いを生かし、少しのゆがみ歪みも味わいと考えてラフにさっくりと刺します。

ビーズクチュール

特殊な針を用いて、オーガンジーに金糸や銀糸、ビーズ、スパングルなどで刺しゅうをします。オートクチュールのような、優美な刺しゅうを仕上げます。

クルーエル刺しゅう

麻布に色鮮やかな毛糸で刺しゅうするイギリスの伝統刺しゅうです。毛糸特有のふっくらしたやさしい印象の作品に仕上がります。

ゴールドワーク

金色の素材を使う、壮麗で豪華な刺しゅうです。独特な素材の扱い方やその特性を生かした表現方法を学びます。

白布に白い糸で刺す刺しゅうの総称です。その歴史は古く、織物の縁どりとしてはじまり、中世の教会装飾に多く用いられ、のちに一般の装飾や室内装飾にも用いられるようになりました。洗濯に耐えるように芯を入れて密に刺した結果、立体的で陰影のある清楚な日用品が多く生まれました。

作品と内容

本科

「ハーダンガーワークⅠ」でピンクッション、「ドロンワークⅠ」で生成りの美しいランチョンマット、「カットワークⅠ」で美しい小物入れをつくります。

ハーダンガーワークI

小さな四角のサテンステッチと、四角にカットされた空間で幾何学的に構成された図案が特徴です。

ドロンワークI

布の織り糸を抜き、残りの織り糸をかがる刺しゅうです。

カットワークI

白の麻布に白のアブローダー糸で刺し、縁どりをカットする美しい刺しゅうです。ステッチの目を揃えて刺すこと、布地のカットの方法を学びます。

作品と内容

高等科

白糸刺しゅう本科を卒業した方のためのコースです。「シャドーワーク」のナプキン、「ハーダンガーワークⅡ」のドイリー、「アジュール刺しゅう」のサンプラー、「シュバルム刺しゅう」のポーチ、4つの作品をつくります。

シャドーワーク

透ける布を使って、裏からクローズドへリングボーンステッチで刺します。透ける美しさを強調した技法のため、曲線の針目が流れないように注意しましょう。

ハーダンガーワークII

小さな四角のサテンステッチと、四角にカットされた空間で幾何学的に構成された図案が特徴です。

アジュール刺しゅう

織り糸を同色の糸で引き締めて模様を作ります。引き締められてできた透け感と、かがった糸のコントラストが繊細で美しい刺しゅうです。

シュバルム刺しゅう

図案をコーラルステッチとチェーンステッチ、ボタンホールステッチで囲み、内側をかがります。

作品と内容

講師科

白糸刺しゅう高等科を卒業した方のためのコースです。「カットワークⅡ」「サテンステッチ」「ドロンワークⅡ」3つの作品をつくります。

カットワークII

縁どりはスカラップステッチで波状の幅をもたせ、花や葉などにブリッジを渡してレースのようにカットします。アイレットワークも取り入れ、白糸刺しゅうの真髄を学びます。

サテンステッチ

芯入りサテンステッチによるアルファベットサンプラーを作ります。糸の光沢が生み出す白の陰影の美しさを引き出しましょう。

ドロンワークII

新たにドロンワークの6種類のかがり方を覚え、サンプラーを作ります。

作品と内容

指導員

白糸刺しゅう講師科を修了した方のためのコースです。「シュバルム刺しゅうⅡ」「ドロンワークⅢ」「ヒーダボー刺しゅう」3つの作品をつくります。

シュバルム刺しゅう

図案の輪郭線を刺したのち、その内側をアジュール刺しゅうやドロンワーク、フィレ刺しゅうの技法でかがって繊細な美しさを表現します。

ドロンワーク

幅広に織り糸を抜いたドロンワークにアジュール刺しゅうを組み合わせ、繊細で華やかなテーブルセンターを作ります。

ヒーダボー刺しゅう

デンマークの代表的な白糸刺しゅうです。いくつか技法の中から、オープンワークのエッセンスを学びます。

受講生の声

実際にヴォーグ学園で資格取得講座をご受講いただいた方の「声」をご紹介します。

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刺しゅう資格取得講座

受講生

幼いころ、母が私の体操着入れや三角巾などに名前を入れる代わりに、それぞれの教科にちなんだ刺繍を入れてくれました。その影響で私も自然と刺繍を始めました。でも市販のキットや本をみて作品を作っても満足のいく仕上がりになりません。そんなときヴォーグ学園のホームページを見て「刺繍を習いたい。それならいっそ資格が欲しい」と思い申し込みました。今まで我流で何度刺しても満足のいかなかったステッチも、先生のアドバイスを受けると目から鱗の連続です。私の刺繍の道は始まったばかりですが、授業を受ける度にもっと刺繍を知りたい、もっともっと刺したいと気持ちに針が追いつかないほど楽しみです。

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刺しゅう資格取得講座

受講生

白糸刺しゅうに憧れがあり、本を手本にしていましたが、もっと美しく刺したくて受講しています。受講してみて本に書かれてないポイントやコツを教われますし、刺している所を見せていただけるので、わかりやすいです。自分で刺してみると上手く刺せない所や疑問がでてきますが、その都度質問できたり、見てもらえるので理解が深まります。何度も練習したり、刺し直したり時間をかけて刺しあがった作品は、どれも愛着があります。できあがった作品を先生に添削してもらいアドバイスを受けられることも受講してよかった点です。

ヴォーグ学園4校で講座を開催中

ご質問などはお近くの校舎にお願いします。

なお、開催状況や日程・受講料などは各校で異なります。

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