津軽こぎん刺し
鎌田 久子 先生
ご担当されるクラフトを体験する、作品を作る、魅力はなんですか?
津軽こぎん刺しは、針の上げ下げによって布目を掬い幾何学的な模様を組み立ててゆく単純な作業の繰り返しですが、その中から無限の変化が生まれます。300年も昔の雪国の生活の中から生まれたこぎん刺しは、今では私たちの心の平安と癒しを与えてくれています。
先生がこのクラフトをしようと思われたきっかけや出会いがあればお聞かせください。
半世紀前に故工藤得子先生が、フランスの手芸の公募展に津軽こぎん刺しのタペストリーで入賞されたことを新聞で拝見しました。それまでこぎん刺しは私の意識の中には無く、もちろん生活の中にもありませんでした。藍の地に白糸で刺されたこぎん刺しの模様からは、雪の結晶のような鮮烈な印象を受けました。
クラスではどういった指導を心がけていますか。
それぞれのペースで確りと刺し進めていく中で、自分らしい作品に出合うように指導したいと思っています。毎月の教材は布色や糸色を変え配色や組合せの変化などを学んで頂けるよう心掛けています。
これからはじめようと思っている方にメッセージをお願いします。
津軽こぎん刺しには人の手の優しさ、故郷の温もり、伝統の厚みがあります。一針一針の単純な繰返しの中には先人の情念と心の豊かさが感じられます。生活に彩りと潤いを添えてみませんか。
津軽こぎん刺しを故工藤得子先生に師事。平成5年から津軽こぎん刺しを主宰。パリなど各地で個展や出展などでこぎん刺しを紹介。現在17教室で指導している。平成5年より津軽こぎん刺しの仲間「藍と白の会」会長。著書「はじめてのこぎん刺し」(日本ヴォーグ社刊)他3冊