成田洋子のクチュール刺繍
成田 洋子 先生
ご担当される『クラフト』を体験する、作品を作る、魅力はなんですか?
オートクチュールドレスにかかせない豪華で繊細な刺繍、ため息が出るほど美しい装飾には忙しい日常をしばし忘れうっとりとしてしまいます。まさに、芸術作品です。縫い針で布地の表から刺繍するマントゥーズ技法に加え、布地の裏からクロッシェ(刺繍用かぎ針)でビーズやスパンコールを留め付けるリネヴィル技法は早く正確に美しく刺せて表現の幅を広げることができると思います。
ビーズ、スパンコールだけでなく、リボン、シュニーユやラフィアなど豊富な材料とさまざまなテクニックが組み合わさり素晴らしいデザインが生まれます。ドレスとまでいかなくても普段の生活に活かせるお洋服、アクセサリー、インテリア小物など、身の回りのものに刺繍をプラスすることで華やかな彩りを与えることでしょう。お金を出せば何でも手に入る世の中ですが、自分の手で作ったものを生活に取り入れることにより心豊かになると思います。
先生がこの『クラフト』を作ろうと思われたきっかけや出会いがあればお聞かせください。
子供の頃、祖母と母がカーディガン、ブラウス、手提げバッグなどにたくさん刺繍をしてくれました。クッション、テーブルクロス、シーツや枕カバーなど身の回りの物にも刺繍されたものが多くありましたので、小さい頃から自然と祖母、母の横で針と糸を持っていたように思います。ずっと趣味で続けておりましたが、ある時シャネルの傘下の工房を紹介する展示会でパリの刺繍学校ルサージュを知り、こんなに素晴しい刺繍があったのかと衝撃を受け、日本とパリを行き来しながら学びました。通っている間は今までに目にしたこともない素敵な刺繍に囲まれたお教室で学ぶ喜びを存分に味わい幸せな時間を過ごしました。
クラスではどういった指導を心がけていますか。
ご一緒の時期に入ったから、ご一緒に進めなければとご心配なさる方がいらっしゃるようですが、学校の授業ではありませんので、個人個人ご自分のペースでご納得いただくように進めて頂いております。
ほとんどの方がクロッシェ(刺繍用かぎ針)は初めての方なので、慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。苦痛になってしまいましたら長続きしませんので、新しいことをはじめて楽しいと思える範囲内で頑張って頂いております。
今まで知らなかったテクニックを修得できたときの喜びや、作品が出来あがった時の満足感を味わって頂ければ幸いです。
これからはじめようと思っている方にメッセージをお願いします。
本講座では、6回で2作品をご提案しておりますが、ご自分のペースで進めて頂いております。
クロッシェ(刺繍用かぎ針)に慣れるまで戸惑うかもしれませんが、わかりやすく丁寧にご指導致します。
シンプルなものにでも刺繍を加えることで、ちょっとしたアクセントになり、世界でたったひとつのオリジナルが生まれることと思います。
刺繍作家。祖母、母の影響で幼少より手芸に親しむ。エコールルサージュにてオートクチュールコース、インテリアコース、リボン刺繍、ゴールドワーク、ボーヴェ、クロスステッチ、イニシャル白糸刺繍の課程を修了。